ネオニコチノイドと蜂の危機

 ネオニコチノイド系農薬は、植物の体内に浸透し、花粉や蜜を通じて花蜂に影響を及ぼす。こうした農薬の使用は、世界各地で報告されている蜂群崩壊症候群(CCD)の一因であると指摘されてきた。
 花蜂が担ってきた花粉媒介が失われると、多くの植物は繁殖できず、生態系の基盤が損なわれる。レイチェル・カーソンが『沈黙の春』で警鐘を鳴らした事態は、もはや比喩ではなく、現実の問題として現れつつある。

鳥たちは、どこへ行ってしまったのか。みんな不思議に思い、不吉な予感におびえた。裏庭の餌箱は、空っぽだった。ああ鳥がいた、と思っても、死にかけていた。ぶるぶるからだを震わせ、飛ぶこともできなかった。春がきたが、沈黙の春だった。

――レイチェル・カーソン『沈黙の春』
(青木簗一訳、新潮文庫、12頁)


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