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「ハズバンド」とは何者か?――語源からたどる父権制の思想

 英語の「husband」は「夫」の意味で知られるが、語源をさかのぼるとこの言葉は「家父長」を意味する。

husband

近似発音:ハズバンド

対応する日本語:家父長

言葉の構成:

hus band
主人、保有者

 この言葉は古ノルド語のhusbondiに由来するとされ、 13世紀頃までに古英語でも「家父長」の意味で用いられるようになった(古英語の形はhusbonda)。
 結婚した男性は家の主人となり、配偶者の女性を財産として所有した。
 

父権制のさらなる次元

 英語の「牧畜」も、元来は家父長の仕事を意味した。

husbandry

近似発音:ハズバンドリー

対応する日本語:牧畜

言葉の構成:

husband-ry
家父長~の仕事/役割

 すなわち、家を所有する「ハズバンド」は、家に属する女性だけでなく、家に囲われた動物とその放牧地をも所有する者だった。ヨーロッパ文化圏の伝統的な父権制/家父長制は、このように土地・女性・動物の同時支配を伴う制度として存在した。

父権制(男性による政治・家庭生活の統制)と牧畜(生活手段としての動物管理)は、同時期に歴史上の舞台に現れたものであり、切り離すことができない。両者は同じイデオロギーと慣行によって正当化され、維持されているからである。

――パトリス・ジョーンズ(フェミニスト、VINEサンクチュアリ創設者)


参考資料

  • Gerda Lerner (1986) The Creation of Patriarchy, New York: Oxford University Press.
  • Pattrice Jones (2005) “Their Bodies, Our Selves: Moving Beyond Sexism and Speciesism,” SATYA, http://www.satyamag.com/jan05/jones.html より(2026年8月19日アクセス)。

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