食用にされる動物たちは、物理的・概念的・言語的な区画化によって、生きものとしての実体を奪われ、「食品」へと変えられる。
動物たちは明らかに生命として誕生しているが、その初期段階から肉になる物体として名付けられ、そのような存在として扱われる。肉に適さないとみなされた動物は各段階で廃棄されていく。
動物性食品の生産工程は、動物の繁殖→飼養→屠殺・加工→小売という段階を経るが、その工程は部門別に切り分けられ、関わる人間は誰一人として動物の一生を見ることはない。
消費者にとって、生産工程は不可視の領域に属し、小売店で動物性食品を手にする時には、すでに形状においても呼称においても、動物の実体は失われている。その食品がかつて動物だったこと、その生産工程で廃棄された命があること、生産工程にさまざまな形で関わった人々がいることは、ほとんど意識すらされない。
現代人は日々の食事を介して動物と密接に関わっているが、その関係は血の通う生きもの同士の交流ではない。

